感謝とお礼の気持ちを込めてお知らせいたします。

小松庵総本家 池袋店は、2011年12月を持ちまして現在のルミネビルより退店いたします。残念な思いで一杯ですが、1992年にメトロポリタンプラザビルに入店し、19年ほどの月日が経ち、ビルの趣も変わり、この地を離れる決意をしました。

旧メトロポリタンプラザへの出店は、私たち小松庵総本家の記念すべき、初めての駅ビル店でした。「少しでも名店に近づきたい」そんな泡立つような気持ちで、この地に開店、最初は、うどん・蕎麦店としてのスタートでした。
数年後には、蕎麦人気に背中を押され、蕎麦の専門店に生まれ変わりました。そして、たくさんの出店要請が頂けるようになったのも、ちょうどこの頃です。

その後も自家製粉の蕎麦の道を歩み、3年前、池袋店が完全手打ち店へと成長し、去年、駒込に「おそばの学校」として「蕎学舎」という学びの場を開校しました。
こんな小松庵の歩みをあたたかく、しかも、自分の店のように叱り、あるいは励まし、心配して下さったのが、池袋のお客様です。この池袋店なしには、今の小松庵はないものと思います。開店当初、なかなかお客様に利用してもらえず自信をなくしかけていた頃、あるご婦人から「あんた、この値段とこの味なら必ず客は来る」と予言めいた忠告をいただきました。聞くと、何でも大阪船場で長年事業をしていたとのこと。一ヶ月後、その予言どおりになったことなど、楽しい思い出です。「アルバイトとして使ってくれ」とお客様のご令嬢を預かりもしました。今では立派なお母さんです。もちろん、こんな皆さんと、今でもお店で出くわします。

ここまで親身に育てていただいた池袋のお客様に 大変感謝しております。

ショッピングセンターへの初めての出店が、この池袋のメトロポリタンであったことは、小松庵にとって大変幸せでした。というのは、当時のまわりの店の店長さんの存在です。
ヨチヨチ歩きの小松庵の様子を見かねて一から仕事を教えて下さいました。私達のいないところで、「小松庵はあれで良いのか?」などと店長さん達が話し会ったことなど、後で知りました。マンガみたいですね。このような皆さんとの「食」を通じての共感からは、たくさんのものを学び、多くのエネルギーをいただきました。

さあ、これからも最後の一日まで、さまざまな試みを続けます。ぜひご期待下さい。

それともうひとつ、初日からたぶん最後の日までずっと店頭に立ち続けた者がいます。
そうです、中西さんです。本当に色々ありましたが、ご贔屓にしていただきました。ありがとうございます。
残念ながら池袋の店はなくなりますが、また、いずれ他の土地での出会いもあるかと思います。その時には、少しでも成長をした姿で、お会いしたいと思います。

どうも長い間のご愛顧、ありがとうございました。

小松庵総本家 店主

※「閉店日延長のお知らせ」

2011年12月から2012年3月へ、小松庵総本家ルミネ池袋店の閉店日が変更となりましたことをお知らせいたします。
当初予定しておりました年内での閉店を、ルミネ池袋様から営業期間の延長依頼を受け、来年春まで延長することをお引き受けしました。
すでに閉店のごあいさつをさせていただきましたが、引き続き、ご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。